コンサル大解剖Photo:ModernewWorld/gettyimages

国内発のコンサルティングファームとして、爆速の成長を続けるのがベイカレント・コンサルティングだ。実は、同社ではコンサルタント養成のために、強烈な競争意識を植え付ける極めてユニークな新人研修が存在する。長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、独自の取材で判明した、ベイカレントの知られざる“猛烈新人研修”の詳細を明らかにする。さらに、今後引き上げが予定される初任給の実額についても詳報する。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

個々のスキルを点数化し
数百人分をランキング

 今年、東京都港区の大型複合施設「麻布台ヒルズ」に本社オフィスを移したのが、破竹の勢いで成長を続けるベイカレント・コンサルティングだ。

 本連載記事『国内発コンサル「ベイカレント」爆速成長中!BIG4ら外資系にはない“3つの強み”』で指摘したように、日系ファームとして独自の強みを生かしながら高成長を継続。7月上旬に発表した2025年2月期第1四半期(24年3月~5月期)決算でも、売上高は前年同期比26%増を記録した。

 今期(25年2月期)の会社計画は、売上高が前期比23%増の1150億円。21年春に公表した中期経営計画では、最終年度の26年2月期に売上高1000億円を目標としていたが、このままいけば前倒しは確実な情勢だ。

 そこで今春に、新たな5カ年の中計を発表し、最終年度の29年2月期に売上高2500億円を目指すという計画を明らかにした。「継続的かつ安定的な成長の計画線として、CAGR(年平均成長率)20%程度を考えている」(同社)という。市場ではこのところ、同社の成長ペースの鈍化を危惧する声もあったものの、7月下旬にはベイカレントの株価が約半年ぶり高値を付けるなど、期待感は根強い。

 コンサルは「人」に根差したビジネスだけに、採用や教育で競合に差別化を図ることが重要となるが、実はベイカレントでは、世にもユニークな新人研修が行われている。大学を卒業したばかりの新卒者に対して、1カ月間みっちりと集合研修を行い、強烈な競争意識を植え付けながら、一端のコンサルタントへの変貌を図っているのだ。

 その仕組みは、予備校さながら。「ハード」「ソフト」の両面で日々個々人のスキルが点数化され、廊下に数百人分の全員の順位が張り出され、「常に成長を求められる」環境にさらされるという。そして、最終的な順位がその後の配属にも大きく影響するのだ。

 次ページでは、ダイヤモンド編集部の独自取材で判明したベイカレントの知られざる“猛烈新人研修”の仕組みや狙いをつまびらかにする。実は、初任給も大きく引き上げられる見通しだ。現状と今後の初任給の実額に加え、今秋に控える持ち株会社への移行で起きるキャリアパスの変化などについても明らかにする。