東芝の経営危機の発端ともなった米原子力発電大手、ウェスチングハウスの再建を担うなど、事業再生に強みを持つ「知る人ぞ知る」コンサルとして業界内で存在感を持つのがアリックスパートナーズだ。長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、同社の日本代表の植地卓郎パートナー&マネージングディレクターのインタビューをお届けする。植地氏が事業再生やリストラクチャリングに強みを持つ同社の特徴に加えて、国内のビジネスチャンスについて解説。さらに、人員数を「3年で約2倍増」にする強気の拡大計画についてもメディアに初めて明らかにした。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
リストラクチャリングからコンサルへ拡大
実力派ファームの強みとは
――アリックスパートナーズは、東芝の経営危機の発端ともなった米原子力発電大手、ウェスチングハウスの再建を担うなど、事業再生に強みを持つコンサルとして知られています。
当社は1981年に米国のデトロイトで創業した比較的新しいファームで、20世紀はリストラクチャリングをテーマにずっとやってきました。
アメリカでいうリストラクチャリング、すなわち倒産した会社が“チャプター11”を出るためのファイナンスをサポートするというのがサービスの中心でしたが、2000年初頭頃から、銀行がお金を貸せるような“バンカブル”な堅い数字を短い期間でつくるというサービスが、実はコンサルに使えるんじゃないかということに気が付きまして、サービスの幅を広げていったという経緯があります。
なので、祖業はリストラクチャリングなのですが、今はグローバル全体の売り上げの半分以上をコンサルが占めます。社内ではコンサルサービスのことをアドバイザリーと呼んでいて、業績改善、M&A(合併・買収)、組織構造改革などを手掛けていますが、このアドバイザリーが半分以上、それから祖業であるターンアラウンド・リストラクチャリング・サービス(TRS)が2~3割ほどあり、残りはリスクアドバイザリーという構成となっています。
次ページでは、植地代表が同社の強みの源泉について、「グローバル連携」や「シニアプロフェショナルモデル」といったユニークな特徴を挙げて解説。さらに、国内のビジネスチャンスに加え、人員数を「3年で2倍増」にするという強気の拡大計画の詳細や求める人材像についても明かす。