第2条:純資産が増えているか、自己資本比率が適正か(大きく、または連続的に減っていないか)

 純資産や自己資本比率は、会社の財務状況を賃借対照表(BS)で見る指標です。売り上げと利益が増えているのであれば、純資産は増加していくはずですが、会計上の利益が出ていても純資産が減少したり、負債が大きく増えて自己資本比率が減少したりする場合もあります。自己資本比率は30%以上(金融業は6%以上)が望ましい水準です。

 ここでは、決算短信1ページ目の中段から純資産と自己資本比率の変化を確認します。想定外の場合は、不確実性が高くなりますので、変化の理由が許容できるものでない限り、投資対象から外します。この第2条も第1条と同様に5年分チェックします。

決算短信出所:ディスコ2024年3月期の決算短信
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第3条:営業キャッシュフローは黒字か、期末現金残高は増加しているか

 1ページ目の中下段のキャッシュフロー計算書から現金収支が赤字になっていないかをチェックします。同時に、期末の現金残高が期初より増えているかも確認します。

 通常、現金収支は、黒字が期待値であり、現金残高も増えていくものです。営業キャッシュフローが赤字の場合は、原則として投資対象から外します。

 投資を積極的に行った場合には現金残高は減少することもあり、投資キャッシュフローのマイナスが原因で、理由が適正であれば、ある程度は許容できます。これも5年分チェックしますが、キャッシュフロー計算書は期末の本決算以外では記載されていない場合がありますので注意してください。

決算短信出所:ディスコ2024年3月期の決算短信
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