分析や公式の使いこなしなど
「応用」に進む前に土台が大切

「新しい教育」の応用編では、「ルールを理解して自分で手を動かす」ということが、当たり前になってきます。資料を読んで分析したり、その中にある隠れた規則を見つけたりしてそれにのっとって操作する。与えられた公式をそのまま使うのではなく、その場でその場のルールを理解して、状況に応じて試行錯誤し、戦略を組み立てるものです。

 ところが、資料は、文字で書かれているので、結局は文を読む力が絶対条件になります。算数の応用問題や一部の理科の学習でも、四則計算が不正確で遅いと、解き方の道筋がわかったとしても、実際に計算して答えを導き出すことができません。

 4年生以降になって、急に文章を読む能力をつけたり、計算力を上げようとしても無理で、結局はそれまでに少しずつ積み上げておくしかないのです。

 ショートケーキには、スポンジの土台があって、上にクリームやいちごが載っています。学力も、基礎学力の上に受験テクニックや先進的な学習やアウトプット型の学習があります。にもかかわらず、どうしても多くの親はいちごやクリームの飾りに目が行きがちです。

 どんな塾も、手品のように、帽子からウサギを出すことはできません。泥臭いようですが、毎日少しずつ、家庭でこつこつと地道に計算力と漢字力、語彙力を積み重ねる――それがとても重要です。

「新しい教育」がこうした基礎力の養成と分かれていくのは4年生以降ですが、この土台がなければ上に何も載せることはできません。とにかく、毎日10分ずつ、今日から漢字と計算に取り組んでください。

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