自走化のための三つのポイント
私の会社ではクライアント企業に対し、メディアを有効活用するための「三種の神器」を提供しています。これは広報の自走化を実現するポイントにほかなりません。
第一のポイントは、メディアのリストをつくることです。
広報部門は、メディアに対しての営業セクションであると考えれば、営業先のリストがあってしかるべきです。ところが実際には、ほとんど用意されていません。まずは、自分たちがアプローチしていくメディアのリストをしっかり用意しましょう。
メディアの担当者個人のリストがあれば理想的ですが、ローカル局や地元の新聞などのホームページを見れば情報提供の連絡先が載っています。それらをまとめるところから始め、メディア関係者と名刺交換したりすることを重ねながらリストを充実させていきます。
また、一度アプローチしてうまくいかなかったとしても諦めてはいけません。PRは継続が基本です。何度も繰り返し、メディアにアプローチしてください。ちなみに、東京など都市部よりもローカルのメディアのほうがハードルは低いため、より親密な関係を築けると思います。
第二のポイントは、情報発信の工夫です。
特にニュースリリースのタイトルのつけ方、テーマの切り口などにストーリー性や社会性を持たせます。プロダクトPRではなく、コーポレートPRのほうがメディアに取り上げられやすいということも覚えておいてください。私の会社では、こうした点についてノウハウを学べるセミナー・勉強会なども行っています。
第三のポイントは、広報体制の整備です。
具体的には、経営者が広報部門のトップになるべきです。ある程度、規模の大きな企業であれば、経営企画など経営者を支える中核部門に広報機能を持たせます。
そして、PR(広報)専任の担当者を置きます。「人がいない」とおっしゃるケースも少なくありませんが、「最低でも50%以上の業務量を広報に当てられる担当者を置いてください」とお願いしています。
広報がきちんと機能するようになれば、営業担当者10人以上に匹敵する効果があります。採用面でも人事担当者10人以上に匹敵するでしょう。先行投資として広報の専任担当者を置くべきです。
これら三つのポイントをクリアすれば、間違いなくメディアへの露出につながる確率が高まります。そのことによって、「社員のファンづくり」はもちろん、社外のステークホルダーの間にもファンを広げていけます。