ホンダがインドで生産し日本に輸入して販売するのは、WR-Vが初めてのことだ。スズキのフロンクスと同じ1.5Lガソリンエンジン搭載のコンパクトSUVで、注目されたのが手頃な価格設定だった。

 ホンダは、このWR-Vを1.5LガソリンエンジンFF(フロントエンジンフロントドライブ)車のみのモデルとし、タイで開発した新興国モデルのプラットフォームや共用化した部品を活用することで、209万8800円〜248万9300円(税込み)という価格を実現した。

 日本発売から1カ月後の4月には、WR-Vの受注が約1万3000台で、月間販売計画の3000台の約4倍と快調な出足となったことが明らかにされた。ホンダの国内販売が軽自動車の「N-BOX」に依存する中で、WR-Vの販売好調がその脱却に貢献するのではないかと話題を呼んだほどだ。

 WR-Vは、インドのセレブが運転手を付ける“ショーファー車”として活用されるほどとあって、後席のスペースが広く、一世代前のホンダセンシングも装備されていて、それで250万円を切る価格設定は魅力的だ。

 一方、スズキのフロンクスも、インドでは23年のデザイン・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、高級SUVとして位置付けられるほど。また、南アフリカでは24年ザ・ベストカー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、高い評価を得ている。

 9月20日前後とみられる日本発売では、WR-Vや同じくコンパクトSUVのトヨタ「ヤリスクロス」「ライズ」などと比べ、どのような価格設定をしてくるかが注目される。