さて、ホンダのWR-Vとスズキのフロンクスが共に、コンパクトSUVで日本市場を席巻する(しそうな?)予感である。そうなると、国内で「インド製の輸入車旋風」ということになる。

 国内の新車販売は、24年上期(1~6月)で212万7490台と前年同期比13.2%減にとどまった。認証不正問題など一連の不祥事はトップのトヨタ自動車にまで及び、出荷停止が響いて販売現場は厳しい状況にある。

 海外に目を向けると北米ではHV(ハイブリッド車)が好調となる一方、BEV(バッテリー電気自動車)の普及が減速、最大市場の中国ではBEVの供給過剰や乱売など市場構造の悪化が指摘されており、自動車市場は波乱が続いている。

 そうした中で、インド生産輸入車という新潮流の2つのクルマが、国内乗用車市場にどのような変化をもたらしていくのか。特に、いずれ中国をしのぐ自動車大国となるとみられ、車両生産拠点としての重要度や競争力も増しているインド製のクルマが、日本市場でどのように受け入れられるのか。その行方を注目しておきたい。

(佃モビリティ総研代表・NEXT MOBILITY主筆 佃 義夫)