かえつ有明(東京都)は、帰国生も多く、グローバル教育と探究教育を重視しています。
高校には探究に振り切った新クラスもあり、探究教育の実践を積み重ねている学校として人気です。中学校で実施している学校オリジナルの教科「サイエンス科」は、探究学習の象徴ともいえます。サイエンスといっても理科系の科目ではなく、学ぶために必要となるスキルや思考法を身につけるため、議論、フィールドワーク、プロジェクト学習を行うのです。
教育目標は「(1)学び方を学ぶ (2)自分軸を確立する (3)共に生きる」の3つで、サイエンス科はこの目標達成のためのコアプログラムです。ここで身につけたスキルは、教科学習の中でも生かされ、教室の授業も生徒が主体的に学ぶアクティブラーニングになっているのです。プログラムのゴールは、「学ぶことが楽しい」と思えること。
かえつ有明では、「教員はCo Learnerである」と考えているそうです。Coとは共同、共通、相互を表す接頭語で、「教員もまた、学び手である」という意味。取材時、担当教員が集まって生徒が主体的に動きたくなる仕掛けや声かけを話し合っていました。教員も、学び続けているのです。
理系の勉強が好きなら視野に入れたい「STEAM教育」
STEAMとは、科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・芸術(Arts)・数学(Mathematics)の頭文字をとったもの。文部科学省のホームページでは、STEAM教育とは「文系?理系といった枠にとらわれず、各教科等の学びを基盤としつつ、さまざまな情報を活用しながらそれを統合し、課題の発見・解決や社会的な価値の創造に結び付けていく資質・能力の育成」を目的としたもの、と説明されています。
日本では理系人材が不足しているといわれています。国も生き残りをかけ、技術革新を担う人材を育てるため、全国にDXハイスクールを設置するなど、STEAM教育に力を入れようとしているのです。
最近の動向としては、芝浦工業大学附属中(東京都)、東京電機大学中学校(東京都)、東京都市大学付属中学校(東京都)などが、中堅校の中で理系進学に強い学校として受験生を増やしています。理系の勉強が好きというお子さんなら、実験室の設備やその使われ方、またDXの分野に関する取り組みなども注目されるといいでしょう。
この3つが今の教育のトレンドですが、「新しいことをやるからいい学校」というわけではありません。