元々私学の多くは、英語教育に力を入れており、海外研修もある程度行っていますが、最近はその中身も変わってきています。

 豊島岡女子はインドの名門女子校と交流の機会を設け、インド工科大学デリー校での授業体験も行っています。

 佼成学園(東京都)は中1でモンゴル、中2でフィリピン、中3でタイに行きます。志教育を行う足立学園(東京都)では、ラオスやアフリカのタンザニアで「志グローバルプログラム」を実施しました。

 グローバル教育が注目を集める理由の一つは、日本経済の低迷です。また、少子化で日本の生産年齢人口が減少し、子どもたちが社会に出る頃には、さまざまな国の人と一緒に仕事をするのが一般的になっていくことを考えると、グローバルに対応できる力を育む教育が期待されるのは当然の流れです。

学ぶことが楽しい、と思える生徒主体の授業「探究」

 新学習指導要領でも「探究」という言葉が俄然クローズアップされるようになりました。中学校では、「総合的な学習の時間」が、高校では「総合的な探究の時間」が設けられています。

 学校によって取り組みはさまざまですが、

・行政や企業と組んでそれぞれの課題を解決するためのプロジェクトを動かす
・個人の興味関心を元に長期にわたって研究を行い、論文にまとめて発表する
・修学旅行の行き先を検討、実施、振り返るところまで生徒主体で行う
・行事の運営を一つのプロジェクト活動と捉え、生徒に主体的に取り組ませる

 などがよく見られる取り組みです。もちろんこれも探究ですが、総合の時間だけでなく、教科の枠を超えて生徒自らが課題を見つけて設定し、横断的かつ総合的な学習を行う学校もあります。

 探究教育に力を入れている学校を一つご紹介しましょう。