もちろん、任せる相手と案件の内容を考えると、部下がまだ独り立ちして任せられるレベルに達していない場合もあり、部下の技量と案件の難易度の相関関係で上司の口出し具合も変わってくると思います。

図表:良い任せ方と悪い任せ方同書より転載 拡大画像表示

 基本的に、任せられる側からすると、自分の側から上司に相談しに行く場合は別として、自分で考えたことを上司に否定されたり、事細かに指示を受けたりするのは決して気持ちの良いものではありません。

夫の家事に文句を言う妻と
ダメな上司の共通点

 モチベーションが下がってしまうでしょうし、このような上司のもとでは、「自分から判断して動いたら上司に怒られるかも」と考えてしまい、指示待ちの部下ができあがってしまいますよね。

 夫婦の間の家事分担をイメージすればわかりやすいと思います。

 家事に不慣れな旦那さんが自分なりに考えて洗濯物を干したり、食器を洗ったりしても、奥さんから「このシャツの干し方は……」と事細かに否定されれば、旦那さんからしたら「必死でやったのに全て否定するなら自分でやってよ。俺は何もしないほうがいいよな」という気分になり、やる気を失うことがあると思います(汗)。

 この話は、仕事の「任せる」関係に活かしてほしいのです。旦那さんは家事をすることで部下の気持ちがわかったはずです。

 上司として自分がどういう指導をすれば部下がやりがいを持って仕事をしてくれるかを考える機会になることでしょう。奥さんも、仕事で部下を持っているのなら、家事で旦那さんにするようなことをしていないでしょうか。お互いに考える機会になると思います。