「やせたい」の例でいえば、ファッションを楽しみたかったり、モテたいからやせたいというのはwant。夢を叶えるために必要だったり、健康診断で病気になるリスクがあると分かったりしてやせたいのはneedです。needのほうが動機としては強い、つまりはモチベーションも高く続きやすい傾向があります。

 モチベーションが続かなくて悩んでいる人は、want寄りの動機でダイエットをしているのです。人それぞれの優先順位があるのでそれ自体は悪いことではありませんが、needでダイエットをしている人とは、生活の中でのダイエットの優先順位が全く異なることは頭に入れておくべきでしょう。

内的動機と外的動機の違いは
メリットを感じるまでの時間

 人を行動に移させるための動機は、「内的動機」と「外的動機」という2つにもわけることができます。

 内的動機は、その「行動自体」が楽しいから、やりたくて仕方がないと感じるタイプのモチベーション。あなたの心がやる気の源です。無給でもやりたいと思える仕事や、目的地がなくても楽しめる散歩がそれに当たります。

 運動を例にいえば、毎日10km走るのを何年も日課にしていたり、時間さえあれば1日2回でもジムに行きたいと思ったりするような状態がその典型です。「やらなきゃいけない」ではなく「やりたくて仕方がない」という表現がピッタリくるでしょう。周囲の人からすれば「なんでそんなに続くの??」と思ってしまうようなことも、楽しそうにやってしまうのです。

 このタイプは、怪我をしていたり、1日の終わりにすごく疲れたりしている時ですら、運動しようとします。むしろ、疲れている時こそ「運動して発散したい!」と思うのではないでしょうか。運動している最中の熱中するような気持ちが好きで運動している。これが内的動機のモチベーションです。

 一方で外的動機は、その行動から得られる「結果」が欲しいから頑張るタイプのモチベーション。結果(=報酬)がやる気の源です。生活費を手に入れるために好きでもないけれどやる仕事、目的地に行くための歩行、やせるためにする運動などが外的動機による行動です。