ダイエットに挫折するのは「だらしない性格」のせいだと思い込んでいる人は多いのではないだろうか。しかし、モチベーションが続かない根本の原因は、自分に合っていない「方法」、さらには「目標」を選んでいることにあるのだ。ダイエットする動機を「want」と「need」に分けて考えることで、自分に合ったダイエット法を見つけることができる。本稿は、mikiko『ニュージーランド式 24時間やせる身体をつくる ベストセルフダイエット』(Gakken)の一部を抜粋・編集したものです。
ダイエット迷子の数が
一向に減らない原因
ダイエットが続かないことは、よく「甘え」「だらしない」という言葉で表現されます。しかし、ダイエットに挫折している9割以上の人たちは果たして、皆「だらしない人たち」なのでしょうか?
私の元には、大企業のエグゼクティブ、世界中を飛び回って仕事をする超一流といった人々が「ダイエットを始めてもモチベーションが続かない」という悩みを抱えてやってきます。そういう方々も、自身のことをよく「だらしない」と言うのです。
彼ら彼女らを見ていて確信するのですが、自分でやると決めたダイエットが続かないというだけで、その人をだらしないと決めることはできません。本当にだらしない人は、仕事で成果を出すことも、家で家事をこなすことも、お金の管理をすることも、身なりを気にすることも、自分を磨こうとすることもないはずですから。
一般人が行なうダイエットは、平均して女性が4週間、男性が6週間ほどしか続かないといわれています。
ダイエットをしたことがある方なら経験があると思いますが、モチベーションのピークは「ダイエットを始めよう!」と最初に思い立った時。一旦始めるとその勢いから上がっていくことはほとんどなく、あとは下がっていく一方です。
さらに最初の数週間が楽しくもなんともなければ、モチベーションが下がるスピードは増すばかり。毎日しようと決めた運動はサボりがちになり、食べないと誓ったお菓子もコンビニで見つけた新商品に手を伸ばし、気合を入れて買ったエクササイズグッズは部屋の隅でホコリを被っていきます。
多くの人が似たような挫折経験をしているのに、それを「だらしない」で片付けてしまうのは、原因究明を簡単に済ませるために根性論に頼っているだけ。だらしない性格のせいにして気合を入れさせたところで、ダイエット迷子の数は減っていないのです。
優等生タイプのほうが
ダイエットに失敗しやすい
「続かない=だらしない」ではありません。ダイエットに関していえば、実は自分に厳しく努力が得意な優等生タイプのほうが、むしろ失敗しやすい傾向にあります。モチベーションが続かない“具体的な”原因を究明することなく「自分に甘い」「だらしない」「頑張りが足りない」と精神論に結びつけて根性で解決しようとするのは、昭和時代のスポ根のやり方と同じです。