学ぶことは楽しい!
両親が育んでくれた知的好奇心

――髙島さんは灘中の受験に始まり、東大、ハーバードとずっと「勉強」してこられました。年を重ねるにつれて、勉強の意味合いは変わってきましたか。

 小学生の頃からこれまで「学ぶ」ということへの根本的な意識は変わっていません。知ることが楽しいから学ぶ。だから、勉強が苦しいとかつらいとか思ったことはほとんどありません。社会人になってからも、受験とは目的が少し異なりますが、やりたいことを実現するために勉強しているのは同じ。大事なのは知的好奇心だと思います。

 原点には、幼い頃から「新しいことを学ぶのは楽しいよね」と教えてくれた両親との時間があります。例えば散歩しながら「空ってなんで青いんだろう?」と、身の回りの疑問を一緒に考えてくれた。普段の生活の中で知的好奇心を育ててくれた両親に感謝しています。

 本当にその子がやりたいと思ってることじゃないと続きませんよね。私自身、中学受験もハーバード留学も自分で「やりたい」と思って決めました。ハーバードで授業についていけずくじけそうになった時も「自分で決めたことだからもうちょっと頑張ろう」と踏ん張れたんだと思います。

「なぜ学ぶのか」「何のために学ぶのか」が分からず、やれと言われるからとりあえず勉強している。そんな子どもたちが、どうすれば前向きに、主体的に学んでいけるか――芦屋市の教育においても最大の課題です。子どもたちが知的好奇心を育んでいける環境づくりは、市長である私に課せられた大きな使命だと思っています。