仕事では、「想定外」の困りごとに対処しなければならない事態がよくあります。企業の“受付嬢”を務めていた頃にも、社員の方から困ったお願いをされることが多々ありました。そんな時どう対処していたのか。さまざまな困りごとに向き合った受付時代に学んだことをお話します。(RECEPTIONIST代表 橋本真里子)
“受付嬢”時代に鍛えられた
困った相談への対処術
長年従事してきた受付の仕事で一番鍛えられたスキル――それは、「臨機応変さ」だと思っています。
受付の仕事は、ルーティンワークのように見えるかもしれませんが、実は非常に柔軟性が求められ、瞬発力が重要です。イレギュラーな対応が必要になることも多いのです。
会社経営も同様で、本当にさまざまな「想定外」があります。今回は、私の経験から、「困った相談や無茶振りへの対処法」について、書いてみたいと思います。
受付嬢時代、社員の方から一番よく相談されたこと。それは、「会議室がいっぱいで予約できない!なんとか予約を空けてほしい!」というものでした。
受付の仕事は「来客の取次」だと思われがちですが、実は、会議室の調整のほうに時間や工数を割くことが多いのです(その経験もあって、弊社では会議室管理のサービスも提供しています)。
どの企業でも、会議室は争奪戦と言っても過言ではありません! コロナが明け、オフィス回帰の流れも相まって、争奪戦はヒートアップしている印象です。
「今回だけ!特別にいいでしょ?おねがい!!」と何度も一生のお願いをしてくる人、皆さんの周りにもいませんか? 受付には毎日といってもいいほど、こういうお願いをしてくる社員の方がいます。
これまでも同様の相談を受けているし、あなたを特別扱いする理由もないし、私にお願いされても困る……というのが受付嬢の本音です。ただ、そんなふうにストレートな回答をするわけにはいかないですよね。
一度特別を認めてしまえば、きっとまた同じような要望がきます。もっとエスカレートする可能性があるということも、容易に想像がつきます。「受付に特別対応してもらった」なんて言いふらされてしまっては、「自分も!」とたくさんの人がわがままを言い出すことでしょう。