ルシアンホールディングスの詐欺的なM&Aをいち早く報じた朝日新聞の藤田記者を交え徹底議論!悪質な買い手企業の問題に直面したM&A仲介業界が辿る2つの帰結とは?トラブル回避のポイントとは?特集『M&A仲介 ダークサイド』の#6では、M&A仲介業界で活躍するNEWOLD CAPITALの栗原弘行CEO、さらに本誌記者の3人で、業界の先行きについて議論する。

朝日記者が見通すM&A仲介業界の未来
ルシアン問題を経て辿る「2つの帰結」

 30社近くの中小企業をM&Aにより次々と傘下に収めた後、その多くで現金を吸い上げるなどして、営業停止や倒産に追い込んだルシアンホールディングス。M&Aに関与した仲介会社には、責任を問う声が上がっている。

 ルシアンの所業の片棒を担いでしまったM&A仲介業界が辿る2つの帰結とは?ルシアン問題を5月から報道してきた朝日新聞の藤田知也記者と、M&A仲介業界で15年のキャリアを持ち、経験豊富なNEWOLD CAPITALの栗原弘行CEOを交え、M&A仲介業界の今後について議論した。

藤田知也(ふじた・ともや):朝日新聞経済部記者
早稲田大学卒業。同大学院修了後、2000年朝日新聞社入社。盛岡支局を経て2002~12年に「週刊朝日」記者。経済部、特別報道部を経て、19年9月から経済部。著書に『日銀バブルが日本を蝕む』(文春新書)、『やってはいけない不動産投資』(朝日新書)ほか。ルシアン事件が明るみとなる報道を手がけた。朝日新聞で「M&A仲介の罠」「M&A仲介の罠Ⅱ」を連載。
栗原弘行(くりはら・ひろゆき):NEWOLD CAPITAL 代表取締役CEO
慶應義塾大学卒業後、大手証券会社を経て、2008年に株式会社日本M&Aセンターへ入社し、多くのM&Aを成約へ導き、上席執行役員として、最大規模の事業部を牽引。「NEWOLD」を通じてM&A業界をアップデートすべく、2022年6月にNEWOLD CAPITALを創業。
片田江康男(かたたえ・やすお):ダイヤモンド編集部副編集長
03年ダイヤモンド社入社。広告営業を経て06年週刊ダイヤモンド記者。小売り、外食、家電、電機、生保、損保業界などを担当した後、11年にダイヤモンド・オンライン編集部へ。日中関係、東電問題などを取材。15年より週刊ダイヤモンドに異動し、電力・ガス・石油業界を担当。18年8月から「ダイヤモンド・オンライン」有料版(現ダイヤモンド・プレミアム)の立ち上げ準備に従事。20年9月から生保、損保業界、現在は銀行業界とM&A仲介業界を担当。落語と甘いものが好き。