やる気満々部下への対応ポイント(1)
寄り添う姿勢を見せる

 意欲のある若手社員は、自分自身の実力に対して、時に過剰なくらいの自信を持っています。また、自分自身の能力を、周りに認めてもらいたいと考えていることも多いでしょう。

 そうした若手に対して、頭ごなしに「会社の方針と違う」とか「君の考えは間違っている」といった指摘をすると、プライドを傷つける結果となります。

 それを回避するために、まずは「寄り添う姿勢」を見せることが大切です。

 まず、貴重な意見を出してくれたことに対して感謝を述べましょう。提案の内容ではなく、提案してきた姿勢を褒めるのです。

 続いては、提案や考えの「良い部分」を褒めます。ダメな部分はおそらくたくさんあると思いますが、それを指摘するのは後回しです。まずは、どういう部分を面白いと思ったのか、どういうところを新しいと思ったのか、などを伝えます。

 実際、若手社員のアイデアには、自分が思い付かなかった視点があるものです。全てを否定する前に、面白い部分、新しい部分を見つけるようにすると、あなた自身の視野を広げることにもつながります。

 その上で、苦言を呈するのが上司の役目です。伝えるべきことは「全てが思い通りに行くものではない」という現実です。この際、あまり直接的に言うと、会社の操り人形になるように諭されているという誤解を与えてしまいかねないので注意が必要ですが、「自分で経営していない以上、会社の方針に従うのは大前提」「経営にはリスクが伴う。自分でリスクテイクをしないなら、その分、自由度が下がるのは仕方ない」といった会社運営・組織運営のベースとなる考え方はきちんと伝えましょう。こうした考え方を若手社員に教えるのは、上司が担うべき非常に大切な役割です。