派閥色にじむ「派閥なき総裁選」、長老が“進次郎政権樹立”に腐心SNS向けの動画撮影を行う元環境相の小泉進次郎。自民党総裁選への立候補を正式に表明する前からテレビカメラがその姿を追っており、総裁選には劇場型選挙の兆候が垣間見える Photo:JIJI

 自民党と立憲民主党のダブル党首選が迫る。この党首選で決まる自民党総裁と立民代表が次の衆院選で雌雄を決することになる。立民政調会長の長妻昭(64)はラジオ番組で代表選を「準決勝」と語ったが、早くも「決勝戦」となる衆院総選挙の日程案が出回る。

 最短で、9月27日の総裁選が終わると10月2日新内閣発足。その後11日衆院解散、28日公示、11月10日投開票――。約2カ月後には新たな衆院の勢力分野が固まる運びだ。自民党選対の最高幹部もこの日程を念頭に本音を語る。

「今度の総裁選は(新総裁について)好きだとか嫌いだとか言っている場合じゃない。1丁目1番地は選挙に勝つこと。そこで勝てば後のことは衆院の任期中に考えればいい」

 自民党に吹き付ける強烈な逆風をしのげれば、次の任期中に新首相を代えても構わないというわけだ。口には出さないが、これが自民党議員の思いの最大公約数と言っていいだろう。