9人の候補者が乱立した自民党総裁選は終盤を迎えたが、新総裁が誰になるのかが決まる前に衆院選の選挙日程が浮上するという異例の展開を示す。9月28日の公明党大会で代表の座を退く山口那津男が14日のテレビ番組で明言した。
「早ければ10月27日に投開票、準備は大変だが可能性はある。11月10日も可能性がある」
山口は15年間も党の代表を務め、自民党との連立政権維持の要でもあった。その山口が公言するからには信頼できる政権中枢の情報とみるのが自然だろう。解散風が吹き荒れるきっかけを与えたのは総裁選に立候補した元環境相、小泉進次郎の9月6日の出馬会見だ。
「首相に就けばできるだけ早期に衆院を解散し、国民に信を問う」
この発言で総裁選と衆院解散・総選挙が瞬く間に一体化した。小泉の父でもある元首相の小泉純一郎が「殺されてもいい」と絶叫しながら郵政選挙に突入した手法と同じだ。「小泉劇場パート2」と言ってもいい。9人の総裁選候補者同士の討論の場でも衆院解散は最大の論点になっている。
最速の政治日程は、9月27日に新総裁が決定すると臨時国会を10月1日に召集、その日のうちに新内閣の発足というものだ。この短期間に自民党執行部、閣僚、さらに26人の副大臣を決める必要がある。