二つめのタイプは、勇気づけてくれて尊敬できる人です。会社の上司や自分が、将来なりたいと思う見本となる友人です。こういった友人がいるとライバルとしても意識できるし、モチベーションも上がります。

 そして三つめは、鏡のように自分の行動や存在感を承認してくれる人です。いかなるときでも自分の味方になって、認めてくれる人です。理想の母親のようなイメージですが、承認欲求が低い人が増えている今は、こうした人の存在は大事かもしれません。

 同調してくれるタイプの友人だけではなく、自分がなりたい尊敬できる友人や、自分の存在を肯定してくれる友人も探すことで、幸福度が高まるということです。

 このように、友人作りを客観的に考えられるようになると、長期的に続く友人を自ら選べるようになるのではないでしょうか。友人を維持するのは容易ではありませんが、意識するだけで違います。たとえば、習い事や資格を受講して、そこで友人をつくるのもいいでしょう。

趣味を通じて気持ちが通じ合う
今からでも「友人作り」はできる

 NRI「シニア世代のウェルビーイング(2)」(2023年調査)でも、「趣味とまではいかないが好きなことに取り組んでいる」という人が61.4%もいて、主観的な幸福度が高くなっています。

 好きなことをすると1人でも幸福度に好影響はありますが、それが友人と一緒だと気持ちを分かち合いやすくなります。意図的に足並みをそろえると協力的になったり、関心ごとを共有すると主観的な幸福感が高まったりしますが、趣味が同じだと価値観を共有化できて、さらに幸福度が高まりやすいのです。

 また、資格取得後に資格を生かした仕事に就けば、その情報をシェアするために必然的に長い友人関係を続けることになるでしょう。そして、共通の意識や価値観を共感でき、尊敬する理想の友人も探しやすいと思います。友人作りのために、今から資格取得やスポーツジム、趣味などを探すことも大事なのです。

 老後資金2000万円にこだわらなくても、習い事や資格費用にかける平均月3000円のお金で将来の幸せがつかめるかもしれません。