東大合格者が早慶に落ちる
三つの理由とは?

 優秀な受験生が「東大合格・早慶不合格」という結果を叩き出してしまう要因は、大きく三つあると考えられます。

 一つ目は「出題傾向の違いに対応できなかったこと」です。

 東大の入試問題は、論理的思考によって解を導き出し、解答欄に的確に記述する力を問うものが多い印象です。一方で、早慶の入試問題はマークシート方式のものが多いですし、重箱の隅をつつくような暗記問題も出題されます。

 例えば世界史では、東大では「〇世紀~〇世紀における、○○という地域の歴史的展開について、指定した語句を必ず一度は用いて説明しなさい」といった問題が出され、歴史の「流れ」を掴んでいる人が有利になります。

 一方、早慶では教科書・用語集に載ってすらいない偉人の名前など、ニッチすぎる問題が出されることがよくあります。

 早慶で出題される難問・奇問は、教科書を読み込む勉強や、東大合格に向けた論述問題対策だけでは対応できません。そのため、特に早慶に関する事前情報を持たずに地方の公立進学校から受験に来た東大志望者は、入試問題を見て慌てふためく傾向があります。

 実際に私の知人(主に地方出身者)には、論理的思考力・答案構成力を生かして東大に合格したものの、早慶の入試では地歴の暗記問題に対応できず不合格となった人が何名か見受けられました。