いつでも誰とでも気さくに話せる社交的な人がいる一方で、物静かで、話すのに勇気がいる人もいる。しかし、世界的ベストセラー『「静かな人」の戦略書』の著者、ジル・チャン氏によると、物静かな人や内向的な人でもラクに会話を盛り上げる手立てはあるという。今回は、そんな戦略をチャン氏に尋ねてみた。(構成/ダイヤモンド社・森遥香)

【誰とでも話が続く】本当に頭のいい人がしている「うまい話し方」ベスト1ジル・チャン氏(Photo by Wang Kai-Yun)

まずは「情報収集」から始める

――飲み会などで雑談をする際に、誰とでも気さくに話せて印象に残る人になるコツを教えていただきたいです。

ジル・チャン氏(以下、チャン氏) 飲み会などで普段あまり話したことのない人が相手が隣になると、ちょっと緊張しますよね。そんな場でも気さくに話せて、話がつづくコツを紹介しますね。

 これは2段階からなる方法です。

 まず第1段階としては、相手の話を黙って聞いて、観察してみてください。この人はどんな話が好きなのかなと。ほとんどの場合、上司だと過去の功績を話すのが好きだと思いますが、とにかく最初は聞いてみてください。

 どんなことが好きなのか、普段何をしているのか、仕事では何が好きかなど、とにかく情報収集に徹するんです。

さらに「好きなもの」で話を深める

チャン氏 第2段階としては、収集した情報をもとに深堀り質問をします。とくに、相手の「好きなもの」や「自分と接点があること」を中心に質問を重ねます。

 たとえば、私は野球が好きなのですが、話を聞いて、相手も野球が好きだとわかれば、「推しの球団はどこですか?」「誰が好きですか?」「球場に観戦に行ったりしますか?」などと質問を発展させていきます。

 その人が好きな話題について知識や経験がなくても、知らないことを学べるいい機会だと思って好奇心を持って話を聞けば、自然と質問は浮かんできます。

「本当に博識ですね。何かおすすめはありますか?」「いまの話題ってもしかして、〇〇(自身の知識を挙げてみる)と似てます?」など、質問を重ねていくと、話し手は自分に興味を持ってくれていると感じて嬉しいものです。

 そうして「好きなもの」で接点ができると、翌日以降のちょっとした雑談の機会などにも自然とその話ができて、人間関係が深まりますよ。

ちょっとカジュアルに接する

――上司との飲み会などで、緊張して質問が浮かばないような場合、どうしたらいいですか?

チャン氏 相手の立場から状況を俯瞰してみるといいですよ。

 たとえば飲み会で上司は、部下に対してどう思っているでしょうか? 状況によりますが、きっとリラックスして楽しんでもらいたいと思っているのではないでしょうか。

 そうであれば、緊張して真面目な話をするのではなく、言葉遣いには気をつけつつも、友だち相手のように、ちょっとカジュアルな態度で接してみてもいいかもしれません。

 飲み会はカジュアルな環境で、職場での鎧を脱いで、個人的な話ができる絶好の機会だと思うので、友人相手ならこんな質問をするだろうという想定で話を広げるやり方も有効だと思います。

※本記事は、『「静かな人」の戦略書』の著者に話をうかがったものです。