横浜女子御三家の現状

 神奈川では長らく“横浜女子御三家”として、中区山手にあるキリスト教主義の三つの学校が特別な存在だった。フェリス女学院は先述したので、残り2校について見てみよう。

 2024年に2回目の入試を新設したカトリック校の横浜雙葉は、受験生数の倍増に成功した。志望者数は、[1日1回]が2割半減、[2日2回]が6割半増と対照的な動きとなっている。24年の受験者数・実倍率はそれぞれ178人・2.37倍と179人・2.49倍であったが、25年は1回が2倍割れも見える一方で、2回は3倍台後半に迫るかもしれない。

 校舎が新しくなった横浜共立学園も2回入試を行っている。[1日A]は1割半、[3日B]は1割弱のそれぞれ減少で、24年に盛り上がった実倍率(1.34倍と1.97倍)が23年水準に戻りそうな雰囲気である。Aは1倍台前半のとても受けやすくて受かりやすい入試回になるだろう。

 もう1校、山手にあるのが横浜女学院で、こちらは12回の入試を重ねて受験生を集めてきた。4科もしくは英語も加えた3教科から2科の組み合わせを選ぶ入試を設定しているのが特徴だろう。また、一般入試は各回が1(国際教養)と2(アカデミー)に区分されている。複数回受験しても追加の受験料は取られず、一番高得点の回が合否判定に使われる。

 24年に一番受験生を集めた[1日午後特別奨学1]は219人が受験して合格者4人という超狭き門だった。志望者数は増えているようで、54.8倍の実倍率がどうなるかは分からない。[3日午後特別奨学2]は、24年に156人が受験して実倍率15.6倍だったが、志望者数は3割減で、2ケタ倍率は維持するものの、だいぶハードルは下がりそうだ。

 同じく210人が受けて実倍率1.28倍だった[1日午後B2]は2割志望者数が増えており、1倍台半ばに迫るだろうが、受けやすいことに変わりはない。同じ1日午後の[B1]は志望者数半減で、4.41倍まで高まった24年実倍率が22年の同2.03倍程度まで、25年には大幅緩和することもあり得る。[2日午後D2]も24年に111人が受けた人気回だが、こちらは1割半増で、24年実倍率1.59倍から1倍台後半へ。他に志望者数が増加傾向にあるのは、1割半増の[1日A2]、8割弱増の[2日午後D1]となっている。