サボろうとするのは「ヒマ」だから

 さて、まずは人がなぜサボるのかを考えてみたいと思います。あなたが、「明日どこかで必ず1時間喫茶店でサボってください」と命令されたらどうしますか。きっと、1日の中で比較的暇な時間や自分がいなくても仕事が何とかなる時間を選択するのではないでしょうか。ここでカンのいい読者の方であれば気付いたと思いますが、サボっている人は、忙しいのにサボるということはしません。

 これは一見当たり前なのですが、何も超絶忙しくて仕事が回ってない時に「あえて喫茶店に行ってゆっくりする」なんて発想に至る人はいません。端的に言えば、その瞬間、やることがなく、「暇」なのです。この前提は大事なので、よく覚えていてください。

自分の「ヒマそうな姿」を人に見せると損する

 そうは言っても、仕事量に波があるような方もいるでしょう。別にヒマになることが悪いというわけではありません。

 ここで重要なのが、この「暇」な時間をどこで過ごすかです。JTC(=伝統的日経企業)のビジネスパーソンはどんなに仕事がなくて暇な日でも基本的にはオフィスにいないといけません。しかし、オフィスで過ごしてしまうとどうなるでしょうか。おそらく周囲から「あの人は暇そうだな」と思われることでしょう。

 これはあなたにとってデメリットでしかありません。これは当たり前で、なぜなら、明らかにオフィス内で暇そうにしていると、忙しい人からは疎まれ、上司からはしょうもない雑用を振られるかもしれないからです。

「適度に忙しそうな人」は評価される

 うまく出世をする「サボり上手」の人は、自分の「ヒマそうな姿」を人に見せません。周囲から自分がどう見られるかを判断して、帰るまでの時間の余白を埋める手段として、場所を変えてサボるという方法をとっているのです。

 こうしていれば、あなたは「いつもヒマしていない人」「なんとなく忙しそうな人」という印象を周囲に守ることができます。こうすれば、あなたは「いつも適度に忙しい人」として職場から重宝されることになるのです。

 しかもこれによって、自分のキャパシティにも余裕が生まれ、結果として仕事の精度が向上します。さらには、上司から「仕事のキャパをわかっている人」と評価が上がるというメリットもあります。やらない理由はありません。 

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の著者による特別な書き下ろし原稿です)