実は合格力を計れない!?
問題に“癖”がない合格判定模試

 入試問題とは異なりますが、偏差値を計るために活用される塾の合格判定模試は、問題自体は特徴がないものになっています。これは、いろいろな偏差値帯のレベルの子どもが一度に受験するため、あえて問題に“癖”を付けないようにしているからです。そのため、模試は入試問題と性質が異なり、偏差値を知るには便利ですが、必ずしも合格力を計れるものではありません。

 実例を挙げてみます。昨年、私が教えている塾で、12月に受けた大手塾の偏差値よりも20ポイント以上高い偏差値である慶應義塾湘南藤沢中等部に合格した生徒がいました。慶應湘南藤沢といえば、神奈川県の共学校で最難関の学校です。

 この話を聞くと、「急に偏差値を伸ばしたようだけど、入学してから勉強についていけるのか?」と心配する方もいるかと思います。しかし、その生徒は、入学後の定期試験でも上位の成績を納めていました。

 つまり、この合格は偶然ではなく必然であったと感じています。こうした例は、レアケースだと思われるかもしれませんが、実は経験上、少なくありません。

 では、「偏差値を超えた合格が多い学校」はどんなところなのか。