模試と本番は別物!
「合格人数」は上振れる

 次に、「模試と本番の入試の違い」について、深掘りしてみます。

 模試と違って、実際の入試では同じくらいの成績の生徒と点数を争うことになります。もちろん、その学校を抑えにしてくる上位生も混じってはいますが、各学校はそのうちの何割かは「合格したら他校に手続きをする」ということを毎年のデータから勘案して合格発表人数を決めていきます。

 さらに、複数の中学校の先生に実態を聞いてみると、上位生が混じったとしても、合格ライン近辺に多数の生徒が集まるのが普通です。

「国語で直前に扱った文章が出題された」「算数で得意な単元が大きな配点で出題された」などで、10点以上は簡単に得点が変わってきます。

 また、同じ学校を複数回受け続ける場合は、加点してもらえるなどの優遇措置がある学校はもちろんですが、どこかの回で上記のような幸運と出合える可能性は高くなります。

何度も受けられる「模試」は
出題範囲にも注目しよう

 さらに、複数回実施される合格判定模試と一発勝負の入試の違いについても説明します。

 合格模試は、基本的に4〜5回ほど行われることが多いのですが、国語以外の単元は毎回違うものが出題されることが普通です。

 理科を例にとると、9月の模試に天体が出たとしたら、次の回は同じ地学分野の中から天気が出題されたりします。この出題単元が違うことで、成績が上下するように見えることがありますが、学力が大きく上下しているわけではないことも抑えておきたいポイントです。

 入試直前の合格判定模試が良くない、また下がると「これではまずい……」と心配になるかと思いますが、それまでの模試と総合して判断した方が良いでしょう。