ですがそれも、これから「ジョブ型」転職が進むことで、大きく変わることでしょう。

 つまり「職務記述書」をもとにした、いわゆる「プロフェッショナル人材」を積極的に採用し、また登用を図るしか、これからの圧倒的な人材不足とグローバル化の波を乗り切る術は見当たりません。

 とりわけ、いくら口では「人材の多様性が大切だ」と言ったところで、本音の部分で「できれば日本人の若い優秀な人材が欲しい」と思っている限り、残された選択肢は「中高年の活用」もしくは「女性のさらなる活用」しか見当たらないのが実情です。

 ちなみに、よく、「ジョブ型」採用では、「基本的に他の部署への転部・転属はない」ことを、「最初からやりたい仕事に就ける」こととしてアピールしていますが、その前提で他社から転職した者の目からすれば、「新卒メンバーシップ組」には、まだまだそのケース(他部署への転部・転属)が残っていると映ります。

 そう、後者に対しては、「なんとか最後まで面倒を見よう」とする、いわば会社の「温情」が感じられる一方で、前者の「プロ型採用」のケースでは、いわゆる「外資型」で指摘される「冷たい部分」である、「使えなくなったら切るだけの人材」と扱われるように思われる。それが「公平・公正な扱いではない」と感じられたとしたら、それは無理からぬ話です。