40歳を超えてからの日本企業→外資系企業への転職は、こんなにハイリスクだった写真はイメージです Photo:PIXTA

「メンバーシップ型」の日本企業で働くビジネスパーソンが、「ジョブ型」の外資系企業への転職を考える場合、どのようなことに注意すべきなのか?「ジョブ型」雇用制度の本場である欧米の金融機関を中心に、65歳の定年まで14回の転職を経験した人事コンサルタント・梅森浩一の『定年いたしません! 「ジョブ型」時代の生き方・稼ぎ方』(光文社新書)より、一部抜粋・編集して解説する。

「メンバーシップ型」の
雇用制度は会員制クラブ

「メンバーシップ型」=日本企業から、「ジョブ型」=いわゆる外資系企業への転職は、何も今に始まったことではありません。これからも着実にその数は増えていくでしょうが、課題があるとすれば、その転職の多くが一方通行ということです。

 もちろんその逆のケースも、ないわけではありませんが、「少数派」だといえます。そもそも、一口に「外資系」といっても、よくその中身を見てみると、そこにはある「大きな違い」が存在します。

 たとえば、私がこれまで勤務してきた外資系企業というのは、必要最小限の部分、すなわち「就業規則」や、残業規制を条件付きで免除するための「36(サブロク)協定」といった、日本法が要求する最低限のもの以外は、ほぼすべて本国と同等に経営されていました。

 そんな、いわば「ほぼ完全な外資系」もあれば、会社名だけが外資らしい「実質ほぼ日本企業と変わらない外資系」も多く存在しますから、一概に「両者には行き来がない」、正確にいうと「行き来するには障害がある」とは言い切れません。