試合中に何が起きたか。失敗の原因は何か。ベストな対応策は何だったのか。こうしたことを言葉にして、チームメイトやコーチ、先生らと共有することが、パフォーマンスの向上にもつながる。そう考えると、「話す力」が、スポーツの中でもとても重要な役割を果たしていることを感じます。

 特にチームスポーツであれば、仲間同士がもやもやした気持ちのまま持ち越すより、「振り返り」を通じて、オープンにそれぞれの考えを伝え合う方が、お互いの考え方や思考についての理解が深まり、チームの結束力も高まります。チームメイトそれぞれの視点を交換し合い、試合を振り返りながら、良かった点や次に活かすべき点も挙げて励まし合えれば、1人ひとりのモチベーションがさらに高まることも期待できます。

 スポーツを例に、「振り返り」のメリットや重要性に触れましたが、これはもちろんスポーツ以外の音楽などの個人レッスンでの技能の向上や、文化祭や運動会といった大人数が関わる行事に取り組む時などでも同じことが言えます。

 言葉にしてしっかり振り返る習慣を子どものうちからつけていけば、技能との相乗効果で「話す力」も自然と磨かれていきます。