PBRにも社風があり、過去のPBRと現時点でのPBRとは大いに関係している。
PBRが1倍割れの企業は、将来においてPBRが1倍を回復したとしても、低いままの可能性が高い。事業の利益率が低いままの可能性が高いともいえる。
一方、PBRが高い企業は将来のPBRも高く、事業の利益率が高水準で推移する可能性が高い。
このようにPBRは企業を選別する指標として大いに役立つ。もちろんPBRだけに頼るのは行きすぎである。目星を付けた企業のPBRを調べ、そのPBRの背景を確認しなければならない。
またPBRの傾向に変化が生じていないかどうか、変化が生じているのなら何が要因なのかも調べる必要がある。とはいえPBRをメルクマールとし、株式購入の候補企業を調べるのがポイントになることだけは確かである。
もう1点、PBRの値に基づき、バリュー株とグロース株に分類し、投資の是非を判断する方法が流布している。バリュー株とグロース株の分類に重要な役割を果たすのがPBRである。この背景にはファーマとフレンチによる3ファクターモデルがある。2013年、このモデルの功績により、ファーマはノーベル経済学賞を受賞した。