堀江 僕は知らない第3者に対しての事業継承もありだと思っています。だって、栽培のノウハウや設備があるわけですから。
久松 ただ、個人事業でやっていると、所有と経営が分離されていないことが多いんですよ。個人所有の資産で経営をしていると、なかなか他人に渡せません。でも、個人の酒屋さんがコンビニに売却などをしてきたように、農業にもコンビニにあたるものがきっとあるはずなので、それを考えなければいけないと思います。
堀江貴文 著
――農業従事者は、なぜ大きな変化を起こせないんでしょうか?
久松 プレイヤーが入れ替わっていないからというのが、大きな理由だと思っています。象徴的だったのは、僕が農業を始めた頃にお世話になった農業機械屋さんがいるんですけど、その方は25歳でお店を継いで、55歳になっても「顧客が入れ替わっていない」と言ってました。
そんなこと、一般の産業では考えにくいでしょ。だから、個人事業だけの世界というのは、極端に入れ替わりが少ない世界なんです。逆に言えば、人の入れ替わりが起これば、自然と時代に適応していくようになると思います。