「余ったものを売る」が出発点
セオリー無視の農業で勝つ!
堀江 でも、今はネットを使えば消費者と農家が直接マッチングできるから、流通のための規格は必要ないし、消費者に鮮度のいい野菜を直接届けることができる。でも、久松さんの100種の野菜ってすごい数ですよね。
久松 はい。もう、セオリーを無視しちゃってます。
堀江 普通の農家も自家用に多くの野菜を作ることがありますよね。うちのおじいちゃんも、自分たち用にいろんな野菜を作っていましたから。農家は自家菜園でなんとかなるので、ほとんど野菜は買いませんよね。
久松 だって、バカバカしいですもん。おいしい野菜は自分で作れるわけですから。うちは「巨大な家庭菜園」という言い方をしているんですけど、自分で食べるものは自分で作る。そして、余った分を他人に売るという発想が根底にあります。
堀江 そう。で、それを久松さんは事業規模に持っていった。
久松 そうですね。最初は、自分が食べるものから作ったんです。そして、その後に売ることを考えた。コンセプトの根本がマーケットインではないので、ビジネスとしては無駄が多いかもしれません。