価値観は、子どもであったとしても、その人でしか形づくることができないものです。
社会に出るまでに得られる経験には限界があるし、親のさまざまな制限要素が、そこに影響していることは否めません。
しかし、何よりも大事なことは、その子ども固有の内なる価値観をもって自分の人生を選択していくということです。
つまりは、価値を強要するのではなく、その子ども固有の価値を生み出すお手伝いが親の仕事だということなのです。
親の役割は子どもとの
経験に伴う感情の共有
価値観は、経験だけでは生まれません。そこにどのような感情が生じているのかが、価値観の芽を形成していくことになります。
それは、経験の回数や大きさではなく、大切なのは子ども自身が感じる感情です。
当然、本人の、その経験の記憶は徐々に薄れていきますが、経験に伴う感情は、脳の扁桃体と海馬に感情記憶として残っていきます。
親の役割は、経験を与えることではなく、それに伴う感情を大切にしてあげて、それを共有していくことです。
しかし、ここでも決して感情を押し付けてはいけません。
「楽しいでしょ!」「おもしろかったでしょ!」といった感情の強要は、子どもの価値観形成の妨げとなります。絶対にやってはいけないことだと肝に銘じておきたいところです。