「質問ありませんか?」と聞いて、シーンとなってしまった経験はないだろうか。一方で、この人が仕切るときにはいつも活発に質問が出るというリーダーもいる。会議などの場で質問が出づらいリーダーがやりがちなNG言動とともに、誰でも簡単に質問を引き出すことができるスキルを紹介しよう。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)
質問を引き出せる人と
引き出せない人は何が違うか
会議で説明した後に質疑応答の時間を設けても、一向に質問が出ないという悩みを聞くことがある。方針説明をした後、質問を促しても誰も何も発言しないので、十分に理解してもらえたのだろうと思い、ほっと胸をなでおろす。しかし、実は十分に理解されておらず、実行に移されないという事態に直面したことがあるリーダーは少なくないだろう。
一方で、この人が説明するときにはいつも、メンバーから次々と質問が出されて、活発な意向交換が行われるというリーダーもいる。質問を引き出すことができる人と、参加者を沈黙させてしまう人では、一体何が違うのだろうか。
このように申し上げると、「質問しやすいかどうかは、リーダーの人柄が親しみやすいかどうかにかかわる」「リーダーのキャラクターは、その人が持って生まれたものなので、今さら対処のしようがない」「長い経験の中で培われるものなので、一朝一夕には身に付かない」「質問を出さないメンバーの方が悪い」という諦めや他責の見解に接する。
しかし、私はそうは思わない。誰でも、簡単に、メンバーから質問を引き出すことができるスキルがある。