4人に1人が加入する個人年金保険
50代にとってのメリット、デメリット

 まず、個人年金保険はどうでしょうか。生命保険文化センター『生活保障に関する調査』(2022年度)によると、個人年金保険に加入している人の割合は18.9%で前回調査よりも3%減少していますが、年代別では50代が最も多く24%で、4人に1人が加入しています。40代は22%ですが、50代で増加、60代は20.5%と減少します。60歳の退職金一括払いで加入する人もいますが、それよりも若いときから対策を考え始めているのです。

 50代からの加入に躊躇したり諦めたりする人が多いのは、デメリットもあるからです。多くの商品が10年間保険料を払い込まないといけないので、55歳で加入すれば65歳からしか受給できなくなります。また、若いときに加入した人に比べて運用期間が短くなるので、利回りも減ります。

 個人年金保険料の控除で節税できるので、年収が高い50代にはメリットになります。ただ、毎年支給を受ける場合は「雑所得」が課税されるので、この金額を確認して損得を考えたほうがいいことになります。50代でも加入できるものにはJA共済「予定利率変動型年金共済ライフロード」、日本生命「みらいのカタチ」などがありますが、途中解約すると元本割れもあります。

 個人年金保険の利回り低下や元本割れリスクが不安なら、その代わりに老後の疾病リスクを考えて医療保険を厚くしたり、子どもが独立したら死亡保険を減らしたりする手もあります。50代は平均で月1万4916円を払い込んでいます。老後に備える内容になっているのか再確認することです。