全国画一的なルールのはずだが
運用面では役所の裁量が大
筆者は現場で介護に従事していた経験から、要介護の認定結果は、一部「運」次第とも認識している。いくら全国画一的なルールの下で判定されるとはいえ、人間の状態を段階的に識別することは難しい。
多くのケアマネジャーからも調査員によって差が生じていると耳にする。既述のように地域によってもかなりの格差があり、ある地域では要介護1と判定されるが、同じ状態でありながら別の地域では要支援2と判断されることも珍しくない。特に、軽度者になるほど要介護認定システムの信憑性に問題が生じているといえる。
実際、市町村をまたいで業務に従事しているケアマネジャーによれば、各市町村長の裁量によって結果が異なり、厳しく判定されたり、甘く認定されるなど地域間格差は否めないと聞く。
あるケアマネジャーによれば、担当していた高齢者が、当初、要介護2と判定されたものの、心身の状況から家族や本人がどうしても納得がいかず、状態が悪化したとして、再度、「区分変更申請」をすることとなり、その結果、要介護3になったという。