「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。

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老いた親が孫の婚期に口出しをしてくる

「はなちゃん(孫)は、いつ結婚するの?」。孫の行く末を心配する親のひと言です。こんなことを言われたら「そこまで口出しするの? おせっかいだな」という気持ちになるでしょう。

 しかし、よく考えてみれば、かわいい孫を心配するのは、祖父・祖母として当たり前の心の動きです。あなたも深く考えすぎず「ありふれた日常会話」の1つだと考えてみてはどうでしょうか。

 こういったケースでは「(結婚するのは)運命の人が現れたときじゃない?」と、軽く返答するのがいいです。もしくは、ただひと言、「孫のことを考えてくれてありがとう」でもいいでしょう。いずれにしても、真に受けすぎず、さらっとかわすことが重要です。

 さらに踏み込んだかたちで、「孫のお見合いをセッティングしようか?」と提案されたときは、「ありがとう。だけど、本人(孫)も将来について真剣に考えているから大丈夫だよ」と、はっきり返しましょう。曖昧な返事では問題がこじれます。

 孫がお見合いに興味を示していれば、提案を受け入れてもいいですが、そうでない場合は親の発言に対して、常に全力で返答しようとすると疲れてしまいます。力を抜いて会話してみてください。