CASE3「気持ちの切り替えが苦手な子」
わがままな子のように見えがちだが……
一度へそを曲げると一日中黙り込んでしまったり、友達とケンカしたら何時間もずっとその友達の悪口を言い続けてしまったり。このような行動を取る子は、「融通がきかない」とか「わがままな子」に見えるかもしれませんが、気持ちの切り替えが不得意なのが原因かもしれません。
少し専門的な話になりますが、人間の感情が生まれる過程には、脳の中にある大脳辺縁系という部位が関係していると言われています。
五感を通じて入ってきた外部の情報が認知の過程に入る前に「感情」というフィルターを通るので、感情のコントロールを制御できないと、正常な認知過程にもさまざまな影響を及ぼします。
そうすると、物事を冷静に判断できなくなり、感情の切り替えがうまくいかないことも起こりえます。その結果、「カッとなって、相手を無視してしまう」「よくないとわかっているのに怒りが止められず、不機嫌になる」などの行動につながってしまうのです。
はた目からはわかりづらいかもしれませんが、負の感情を引きずり続けるのは、子ども本人にとってもつらいもの。本当は感情に流されずに冷静な行動を取ったほうがいいと本人もわかっているのに、自分では解決法が見当たらなくて一人で悩んでいるかもしれません。