対立を解消する方法は二つしかない
「日本に住むのだから日本のルールやマナーに合わせるのは当然」と考える日本人が大多数だろう。確かに、日本に定住する意図があるにもかかわらず日本のルールやマナーを守る気がないどころか、日本人や地域コミュニティに対して尊大であるような人々には憤りを感じるかもしれない。
だが、アメリカ暮らしが35年になる筆者の経験から言うと、文化背景の異なる人々が共生するために相互理解を深め、対立を解消する方法は二つしかないと感じる。
譲歩しあうか、双方が受容できる第3の斬新な解決法を編み出すかだ。日本のゴミ出しの例でいくなら、お互いがコミュニティの一員と認識した上で、どこまで譲歩するかということになる。
筆者が思うに、このケースはどちらも「ステレオタイプ」の罠に陥ることで不幸になっている。ある国民や人種グループの多くのメンバーに共通する行動様式、つまり彼らの文化を、その国民や人種全体に当てはめてしまうことは偏見や差別に他ならない。
異文化の人々が共生せざるを得ない場合、必ず何らかの摩擦が生まれる。その摩擦はステレオタイプを生みだし、そのステレオタイプに沿って差別的行動が起こる、という悪循環が生まれがちだ。
今後、日本で確実に急増していくであろう異文化間摩擦に対処するうえで、ヒントになるものがある。アメリカのアジア系スタンドアップコメディアンのジョークだ。人種別のステレオタイプを逆手に取って、爆笑をかっさらっている。