何でもブロックする上司の特徴
私もかつて歴史の古い出版社にいたが、なにか新しいことを始めようとすると「ウチの会社っぽくないね(=やめたほうがいいよ)」「ウチにはウチのウェイがある」などと文句をつけられた。
会社の業績が悪くなると、途端に態度を変えて「アイデアを募集」などと言い出したのも含めて、今では良い思い出だが、組織がうまくいっている間は、上司というものは管理を強めてくるものだ。
ドンキのすごさは、好調であっても、管理を強めるどころかますます権限を委譲しようとしているところだ。何でもありにして、結果だけを問うような組織体にするには、トップの強い意志が必要ということであろう。
そしてまた、プロセスコントロールをしない分、結果については「信賞必罰」をモットーに、盛んに昇格や降格があるのもドンキの特徴だ。
創業者である安田隆夫氏はドンキの人事制度についてこう述べている。
「通年で下位20%のミリオン支社長は自動降格して幕下になる。上位になったら上位になったで、また新しい番付がその翌年から始まりますから、幕下に落ちないように頑張るしかないですね。もう一度、ゼロからやり直しですから」
「大企業病を排除して、(従業員)一人ひとりの個性、生きざまを把握しながら、みんなで一つの目的に向かっていける、有機的な結合を持った、いわばチームとしての組織をつくろうとしたんですよ」
(日経ビジネス、8月5日)