ドンキの大ヒット商品
ドンキの「権限委譲」は、単なる経営方針に留まらず、企業文化の一部として根付いている。この理念は、創業者の安田氏が掲げた「顧客最優先主義」に基づいており、現社長の吉田氏によってさらに強化されている。
ドンキでは、店舗スタッフやアルバイトにも権限を委譲し、売り場の構成や価格設定を自分の判断で行うことが可能だ。アルバイトであっても商品選定や仕入れに関する裁量を持ち、一人の商売人としての自覚を促している。
では、ここまで権限を委譲して、本部はいったい何をしているのか? そう考える人もいるだろうが、本部は本部で現場から離れられた分、自分たちの強さを磨くことに専念できるというわけだ。
その1つが、2019年に刷新されたプライベートブランド(PB)商品の開発と、消費者からのフィードバック(評価)だ。以前のPB商品は、単純に安いだけの特徴のあまりない商品群だったが、今ではPBを購入することを目的にする顧客も多数いる大きな存在となっている。
ドンキのPBのヒット商品には、「チューナーレステレビ」や大容量のツナ缶、巨大なフルーツ缶などがある。これらはテレビ放送を見ず、ネットだけ見るという顧客を開拓するなど、潜在的なニーズを掘り起こしている。
面白いのは、フィードバックの方法だろう。