トランプ勝利で足元は上昇する日本株、「円安追い風」失う25年に海外投資家を呼び込む条件は?Photo:PIXTA

米国大統領選が終わり、これまでのセオリー通りに日本株は上昇している。ただ、先行きは楽観できない。企業業績の伸びが鈍化し、25年はこれまでのような円安の追い風はない。海外投資家の資金を呼び込むために日本企業が満たすべき条件は何かを検証する。(UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント ジャパン・エクイティ ストラテジスト 小林千紗)

過去のパターン通りに
米大統領選後日米中の株価上昇

 世界の主要株式市場は米国大統領選挙後に株高で反応している。

 日本時間11月5日終値から金曜日終値までの株価の騰落率は、日経平均株価 2.7%、TOPIX(東証株価指数) 2.9%、米国S&P500 3.7%、欧州EURO STOXX50 -1.4%、中国 CSI300 1.5%。これまでも述べてきたように、米国大統領選挙後は、不確実性の払拭とボラティリティの低下に伴い株価は上昇しやすい傾向にあり、今回も過去のパターンに沿った推移といえる。

 ドル円は選挙前の151円台から一時154円台まで円安ドル高が進行し、日本株にとっては追い風といえる。ただ、現時点での株価はトランプ大統領就任のポジティブな側面しか織り込んでいないように見える。しばらくは、ご祝儀相場が続くかもしれないが、日本株にとっては、ネガティブな側面もあることは念頭に置いておきたい。

 次ページでは、ポジティブ・ネガティブの両面を検証しつつ、日本株への影響を分析する。