日本株は夏の急落を過ぎて底堅さを増す、「円安」が生む景気・企業収益拡大の“好循環”Photo:PIXTA

持ち直した日本景気
来年初めも続く回復

 日本の株価は、夏場に急落したが、その後は底堅く推移している。こうした動きの背景には、日本景気の底堅さや持続的な日本企業の収益拡大がある。

 景気動向をみると、生産活動は夏場にやや弱め推移となったが、再び持ち直している。6月の認証不正による自動車出荷停止や、8月下旬から9月にかけての台風接近による一部国内工場の操業停止が押し下げ要因となったが、今ではこうした要因は解消している。

 9月の鉱工業生産は前月比増産となり、8月に台風の影響で大幅に落ち込んだ輸送機械や窯業・土石製品、化学などが大幅な増産となっている。製造工業生産予測指数をみると、10月は前月比8%以上の大幅増の見通しとなっており、経済産業省の先行き試算は5%強の増加となっている。ここでは輸送機械の大幅な増産が続くことが見込まれている

 11月の生産予測指数は、輸送機械などの減産から前月比3.7%減が予想されているが、引き続き高水準で推移する見通しとなっている。生産予測指数の前月比で鉱工業生産を先伸ばしすると、10~11月平均は7~9月平均を6.1%上回る。

 生産予測指数で11月の減産が見込まれている輸送機械を別データから見てみよう。大手自動車メーカーの生産計画(10月下旬時点、国内生産台数、筆者推計の季節調整値)では、11月は減産だが、12月と翌25年1月は前月比での増加が続く見通しだ。25年初めにかけて輸送機械の挽回生産が続き、生産活動の回復が続くことが見込まれる。