同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。
【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い
今回紹介するのは、「傷ついたヒーラーの法則」である。
【貧す人】今まで頑張ってきたのに、もう最悪だ
【稼ぐ人】未来から見れば、これは最高の瞬間だ
「ウンデッド・ヒーラー(Wounded Healer)」をご存じだろうか。
「傷つきながらも、他者を癒せる人」という意味だが、代表例を挙げると、ロックスターの矢沢永吉。
詐欺事件の被害者となり、30億円超の借金を背負ったが、ステージに立ち続けることで完済。彼の姿は、ファンをはじめ、多くの人たちに影響を与え続けている。
「ウンデッド・ヒーラー」の力は、売上を上げる際にも役立つ。
なぜなら問題を抱えている顧客にとって、障害を乗り越えたという経験自体が大きな学びとなるからだ。
チームで障害を乗り越えた経験は大きい
例えば、
「帰国子女で生まれはロンドン。英語の成績は校内トップ。もちろん外国人の友達もたくさんいました」
という英語講師と、
「このままではクビにされてしまう……。
なんとか会議で通用する英語を、
3週間で学ばなければならなかった」
または、
「話しかけても完全無視。
そこで、トム・クルーズを完璧にマネた発音を特訓し、
ついに彼女をゲット!」
という英語講師がいた場合、
あなたが英語で困っていたら、
どちらに共感するだろうか?
このような障害を乗り越えた経験を──あなた一人ではなく──チーム全体で積んだとき、顧客に対するインパクトはさらに大きくなる。
開発苦労話は、商品のこだわりを効果的に伝えられる。
例えば、
「ようやく自慢できる商品を出荷したとき……、最悪の事態が起こったのです」
「大型注文に私たちは有頂天。祝杯を挙げていたまさにそのとき! 予想外の電話が鳴ったのです」
失敗体験は、事業成長にとって必要不可欠な資産
このように障害を一つひとつ乗り越えていくたびに、顧客に伝えるべき内容が生み出される。
終わらない嵐はない。
だからこそ嵐の状況をしっかり記録する。
最悪の状態を、写真や映像に収めておくのだ。
そうすれば、後々大成功し、テレビ番組で取り上げられたとき、最高の素材を提供できることになる。
どん底のとき、
【貧す人】は、まわりに語る言い訳を見出すが、
【稼ぐ人】は、未来に語る物語を見出す。
失敗体験とは、事業成長にとって必要不可欠な資産(リソース)なのだ。
(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)