同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。

ライバル他社に「真っ向勝負で討死する懲りない人」のざんねんな共通点Photo: Adobe Stock

【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い

 今回紹介するのは、「戦わずして勝つ法則」である。

【貧す人】競合に真っ向勝負を挑んで、負ける
【稼ぐ人】競合と戦わなくていい市場で、勝つ

【貧す人】は、マーケティング戦略と聞くと、いかにして競合に勝つかを考える。競合を調べ、品質、価格、サービスなど競合をしのぐことを目指し、消耗戦を挑んでしまう。

 しかし、最強の競合戦略は、「競合と戦わないこと」だ。

 目指すべきは、競合より強くなることではなく、「稼ぐこと」だ。

 競争の激しい市場のことをレッドオーシャン、それほど激しくない市場のことをブルーオーシャンという。

 血にまみれたレッドオーシャンで戦って疲弊するより、のんびりとブルーオーシャンで楽しく稼ぐほうがいいと思わないか?
 実体験を話そう。

 私は経営コンサルタントとして独立する前に、米国家電メーカーの商品を輸入・販売していた。
 米国の家電製品は日本市場への参入を狙っていたが、なかなかうまくいっていなかった。
 しかし、私は「俺がやればできる」と思い込んでしまった。

 あらゆることを試行錯誤して一生懸命やったが、思うような結果は出ない。
 やがて気づいた。

 過去にトライした人も同じように努力したはず。
 にもかかわらず結果が出なかったのだ。そのとき思い知った。

愚者と賢者の根本的な違い

 愚者は、俺がやればできると考える。
 賢者は、愚者でもできることをやる。

 戦わずして勝つための大原則は、強者が猛威をふるう市場には、踏み込まないことだ。

 では、ブルーオーシャンを見つけるためにどうすればいいのか?

 答えは「ニッチ」を探すことだ。
 ニッチとは「隙間」という意味で、市場の隙間になっていて、あまり人がやっていない市場を狙う手法だ。

 例えば衣服の場合、男性、女性、子ども、赤ちゃん向けと幅広く扱う衣料品店を展開しようとすると、ユニクロなどの大手と戦っても勝ち目は微塵もない。

 しかし、女子高生向けに特化した服を扱ったり、ビッグサイズに特化した服を扱ったりすれば、大手と直接戦うことなく、勝つことができる。

【稼ぐ人】は、競合相手のいないポジションを見つけ出しているのだ。

(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)