近年、企業による社員待遇の向上が続いている。人手不足や物価の上昇など背景は複数考えられるが、なにより、企業が成長するためには年収アップで人を引き付ける必要がある。ダイヤモンド編集部では、統計専門調査会社の協力の下、最新のデータを反映した3年後の年収を大胆予想。特集『【最新版】3年後の予測年収1355社ランキング!全30業種で「勝ち組」はどこだ?』の#15では、印刷・紙・事務業界の予測年収を独自に推計し、全16社のランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
年収が800万円を超えているのは2社だけ
そのうち1社が3年後には700万円台に
印刷・紙・事務業界には、平均年収が1000万円を超える企業が一社もない。900万円台の会社も存在しない。
2024年3月期の平均年収でトップの王子ホールディングスは840.1万円、2位の大日本印刷が804.3万円と、辛うじて2社が800万円台を実現している。他は全て500万~700万円台だ。
中でも紙・パルプ業界は、新聞の発行部数激減や、書籍・雑誌、コピー用紙といった紙需要の減少など、業界構造的に苦境にさらされている。その状況については、『【紙・パルプ8社】倒産危険度ランキング最新版!2位大王製紙、1位は?悪材料山積みで苦境の業界』も参照してほしい。
そうした状況の中、3年後の年収はどうなるのだろうか。ダイヤモンド編集部では、統計専門調査会社の協力の下、24年3月期までの実績値から3年後となる26年4月期~27年3月期の年収を大胆予想した。
試算対象としたのは、印刷・紙・事務業界の16社。年収が業績などに連動することを前提に、各社の公表資料を用いて重回帰分析による予測モデルを作成、アナリストによる業績予想のコンセンサスデータを当てはめて試算を行った。
その結果、16社中8社の3年後の年収が減少。800万円を超えていた2社のうち、1社が脱落し700万円台になる試算結果に。
ここまで挙げた会社の他に、大王製紙、日本製紙、特種東海製紙、北越コーポレーション、レンゴー、ニッポン高度紙工業、TOPPAN ホールディングス、広済堂ホールディングス、NISSHA、パイロットコーポレーション、三菱鉛筆、コクヨなどの3年後の年収はどれくらい増えるのか?あるいは減るのか。一挙に見ていこう。