近年、企業による社員待遇の向上が続いている。人手不足や物価の上昇など背景は複数考えられるが、なにより、企業が成長するためには年収アップで人を引き付ける必要がある。ダイヤモンド編集部では、統計専門調査会社の協力の下、最新のデータを反映した3年後の年収を大胆予想。特集『【最新版】3年後の予測年収1355社ランキング!全30業種で「勝ち組」はどこだ?』の#14では、保険・証券・金融業界の予測年収を独自に推計し、全39社のランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
「1000万円超え9社」のうち8社が減収!
損保、生保、証券、リースの3年後の年収は?
保険・証券・金融業界は、高待遇な業界だ。2024年3月期の平均年収は、SOMPO ホールディングスが1455.1万円、野村ホールディングスが1408.9万円、東京海上ホールディングスが1390.2万円、大和証券グループ本社が1299.8万円、ジャフコ グループが1278.4万円と、1000万円を大きく上回っている。
全体の39社のうち9社が1000万円を上回り、900万円台の会社も6社存在する。ちなみに、本稿で扱う「保険・証券・金融」の「金融」は、リースを筆頭とするノンバンクを対象としている。銀行業界の3年後の予測年収については本特集#2『銀行業界「3年後の予測年収」ランキング【最新版】メガバンク数行が“平均1000万円超え”から脱落も…』を参照してほしいが、保険・証券・金融業界の待遇は、銀行と同レベルか上回る水準にあるのだ。
では、そんな勝ち組業界の3年後の年収はどうなるのだろうか。ダイヤモンド編集部では、統計専門調査会社の協力の下、24年3月期までの実績値から3年後となる26年4月期~27年3月期の年収を大胆予想した。
試算対象としたのは、保険・証券・金融業界の39社だ。年収が業績などに連動することを前提に、各社の公表資料を用いて重回帰分析による予測モデルを作成、アナリストによる業績予想のコンセンサスデータを当てはめて試算を行った。
その結果、なんと、1000万円を超える9社のうち8社が減収という憂き目に。そのうち2社は減収率が10%以上となり、1000万円を割り込んでしまう。反対に、1000万円未満だったある大手生命保険会社は、3年後には年収が1000万円を上回る試算結果となった。
ここまで挙げた会社のほかに、第一生命ホールディングス、MS&AD インシュアランスグループホールディングス、T&D ホールディングス、SBI ホールディングス、松井証券、マネックスグループ、ジャパンインベストメントアドバイザー、オリックス、東京センチュリー、三菱HCキャピタル、芙蓉総合リース、FPG、日本取引所グループ、ウェルスナビ、かんぽ生命保険、アニコム ホールディングス、ライフネット生命保険などの、3年後の年収はどれくらい増えるのか?あるいは減るのか。一挙に見ていこう。