エネルギー動乱Photo:PIXTA

大手・中堅新電力の2024年3月期決算が出そろった。ダイヤモンド編集部は官報などから集計し、業績の「復活度」ランキングを作成し、前週まで3回に分けてレポートをお届けした。長期連載『エネルギー動乱』の本稿では番外編として債務超過から大復活した新電力、逆に債務超過に陥った新電力など、ランキング化はできなかった10社を紹介する。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

新電力大手・中堅で復活度1位はV-Power
最下位はエバーグリーン・マーケティング

 前週までは、専業系、兼業系、出資元を問わず、原則2024年4月時点で新電力の電力販売量トップ100に入る54社・団体の財務を徹底比較。官報掲載の決算公告などから24年3月期の自己資本比率、自己資本利益率(ROE)、流動比率を計算し、それらを23年3月期と比較。3指標を基にランキングを作成した。

 24年3月期までに電気代値上げや料金メニュー改定が一巡し、また新電力各社の悩みの種だった資源価格の乱高下も落ち着きを見せた。結果、24年3月期は多くの新電力にとって傷んだ財務が立ち直りを見せた時期となった。そこでダイヤモンド編集部は「復活度」に着目した。

 一部を紹介すると、復活度1位はV-Power、最下位はイーレックス子会社で東京電力エナジーパートナーが出資するエバーグリーン・マーケティングだった。

 さて、前出の3指標では比較困難のためランキングには入らなかった新電力が10社ある。光通信完全子会社で新電力販売量トップ10の常連ハルエネ、auエネルギーホールディングスとJ-POWER(電源開発)が間接出資するエナリス・パワー・マーケティング(エナリスPM)、東京ガス子会社のTGオクトパスエナジー、トヨタ自動車完全子会社のトヨタエナジーソリューションズなどだ。

 それらの社のアップダウンはどうだったのか。また他の6社はどのような顔ぶれだったか。次ページで見ていこう。