総予測2025#89写真提供:森トラスト

2025年も激増する訪日外国人観光客(インバウンド)を背景にホテル市場は活況を呈し、オフィス回帰の動きでオフィス市況も堅調に推移するのか。特集『総予測2025』の本稿では、森トラストの伊達美和子社長に不動産業界の見通し、そして不動産デベロッパーを悩ませる建設費高騰への処方箋について聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

ホテルはV字回復
オフィス市況も好調

――オフィスやホテル分野について2024年を振り返ると。

 オフィス回帰の動きが起きたことで、24年はテナントの増床意欲が非常に高まり、オフィス市況は好調でした。当社が手掛け25年に開業する東京ワールドゲート赤坂も、リーシングは順調に進んでいます。秋口から空室率は5%を切る水準まで下がり、これに伴い賃料も上昇傾向です。

 ホテルについても、インバウンドが24年3月から毎月300万人超えを記録し、需要が伸びたことで好調です。アジア、欧州、米国、インドと幅広い地域で、日本への観光需要が生まれ始めており、24年は非常に重要な年になったと思います。

 当社が手掛けるホテルの客室稼働率はコロナ禍前の19年比で115%、客室単価は1.5倍前後となり、ホテル事業はV字回復を果たしたといえるでしょう。

――25年はオフィスもホテルも好調が続くでしょうか。

24年に続き不動産業界は、絶好調となるのか。伊達社長がオフィス、ホテル市況の見通しを語った。好調な不動産業界であっても、不動産デベロッパーには落とし穴が潜んでいるという。また、デベロッパーの悩みの種である建設費高騰への処方箋を開陳する。