2025年の通信業界で、NTTドコモは台風の目になりそうだ。24年秋にドコモは携帯電話料金の「実質値下げ」の攻勢を仕掛けたが、即座にKDDIとソフトバンクが対抗策を打ったことで攻防はいったん収束した。それでもドコモは親会社であるNTTのプレッシャーを受け、再び料金競争を仕掛ける公算が高まっている。特集『総予測2025』の本稿で、その行方を見通す。(ダイヤモンド編集部 村井令二)
ドコモが仕掛けた「実質値下げ」に
KDDIとソフトバンクがすぐさま対抗
値下げ競争再燃の兆し――。事の発端は2024年9月。ドコモはオンライン専用プラン「ahamo(アハモ)」の料金を改定し、月間2970円を据え置いたままデータ容量を月20ギガバイト(GB)から30GBに増量し実質値下げに踏み込んだ。
これに対して競合はすぐに動いた。KDDIは11月12日からUQモバイルに新料金体系を導入し、月額3278円の料金を据え置いたまま月間データ容量を20GBから30GBに増量した。
ソフトバンクも11月からLINMOの月額2970円で20GBまでのデータ容量を価格据え置きで30GBまで利用できるようにした。
いずれもドコモのプランと料金水準もデータ容量もほぼ同じで、あっという間に3社横並びに戻ったというわけだ。
ドコモの実質値下げに競合がすぐさま対抗した格好で、ドコモは次の一手を迫られている状況だ。それによっては激しい料金競争が再燃する可能性も出ている。次ページで、その行方を大胆に予想しよう。