激増する訪日外国人観光客(インバウンド)で活況に沸くのが、ホテル業界だ。そこへ、外資系ホテルが沸騰する日本市場を制覇しようと、“全方位戦略”を取り始めて激しく攻め込んでいる。特集『総予測2025』の本稿では、新たなステージに突入した日本におけるホテル業界の顧客獲得競争の行く末に迫る。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
マリオット、IHGが
ビジネスホテルに参入
2025年は日本全国で外資系ホテルの開業ラッシュを迎え、ホテル業界の序列が激変する。
訪日外国人観光客(インバウンド)の激増で活況を呈する日本市場を制覇しようと、外資系ホテルは主戦場だったラグジュアリーやアッパーアップスケールのカテゴリーだけでなく、ミッドスケールと呼ばれるビジネスホテルの分野にまで参入する。
いよいよ外資系ホテルが“全方位戦略”を取り始めたことによって、日本のホテル業界における熾烈な顧客獲得競争は、新たなステージに突入することになる。
次ページでは、外資系ホテルが参入したビジネスホテル分野の価格戦略を明らかにする。その戦略はアパホテルといった日系ホテルチェーンを意識したもので、日本市場の完全制覇への野望が透けてみえる。また、外資系ホテルを誘致するデベロッパーの明暗を分ける“中身”についてもつまびらかにする。